契約実務

契約書チェックで必ず確認すべき
5つのポイント

「長年の付き合いだから」「相手が用意した契約書だから大丈夫だろう」──そんな理由で契約書をよく読まずに押印していませんか。契約書は、トラブルが起きたときにあなたの会社を守る最後の砦です。逆にいえば、相手方が作った契約書は、基本的に相手方に有利に書かれています。

今回は、数ある契約条項のなかでも、中小企業の実務で特にトラブルになりやすい5つのポイントに絞って解説します。

1. 代金・支払条件──「いつ・いくら・どうやって」が明確か

最も基本でありながら、紛争が最も多いのが代金まわりです。

特に制作・開発系の取引では、「検収」の基準と期限が曖昧だと、いつまでも代金を払ってもらえない事態になりがちです。「納品後○日以内に異議がなければ検収合格とみなす」というみなし検収条項を入れておくと安心です。

2. 損害賠償条項──上限はあるか、直接損害に限定されているか

トラブルで最も金額が大きくなり得るのが損害賠償です。確認すべきは次の点です。

POINT:受注側なら「上限あり」、発注側なら「上限なし」が有利

同じ条項でも、自社の立場によって有利・不利は逆転します。ひな形を使い回すのではなく、案件ごとに自社の立場から見直すことが重要です。

3. 契約期間と中途解約──「やめたいのにやめられない」を防ぐ

顧問契約やシステム利用契約などの継続的契約では、期間と出口の設計が重要です。

「解約は更新日の6か月前まで」といった条項を見落とし、不要なサービスに1年分の料金を払い続ける──というのは実務で本当によくある失敗です。

4. 契約解除と期限の利益喪失──相手の異変に即応できるか

相手方の経営が悪化したときに動けるかどうかは、解除条項の書き方で決まります。

5. 反社条項・裁判管轄──「もしも」のときの備え

最後に、見落とされがちですが重要な2つの条項です。

まとめ──契約書は「転ばぬ先の杖」

  1. 代金・支払条件と検収基準を明確に
  2. 損害賠償の上限と範囲を自社の立場から確認
  3. 契約期間・自動更新・中途解約の出口を設計
  4. 解除条項・期限の利益喪失条項で異変に備える
  5. 反社条項と合意管轄も忘れずに

契約書のチェックは、トラブルが起きてからでは手遅れです。重要な契約や高額な取引については、締結前に弁護士のリーガルチェックを受けることを強くおすすめします。

弁護士 越水遥
この記事の執筆者

弁護士法人越水法律事務所 代表弁護士。東京大学法学部卒業、西村あさひ法律事務所を経て現職。企業法務・労務問題を中心に中小企業・スタートアップの経営を法務面から支援し、YouTube「守りの経営ch」で経営者向けの法律知識を毎日配信している。

契約トラブルの実例はYouTubeでも解説しています

公式LINEでは「経営法務のガイドライン」を無料プレゼント中です。

LINE友だち追加はこちら
← コラム一覧へ戻る

TOP